2008年02月01日

モノラインに強材料

米国株相場レポート

1月 31日

森  崇

1.モノラインに強材料が出た。

@アムバック(ABK)
   シティ・グループが同社の目標価格を7ドルから12ドルに引き上げた。
   アムバックが111億ドルにのぼる巨額な税前損失を計上したこと、及び、現在の株価が、見込損失を控除した一株当たり純資産価値(56$)の20%レベルに落ち込んでいる事実は、更に悪化する事態をも織り込んでいると言える。

AMBIA(MBI)
   モノライン大手が30日引け後不振な業績を発表したが、会社側がAAA格を維持できる見通しを表明したことから株価は急伸。

2.小売り株に強材料が出た。
  ドイチェ・バンクが主要小売り株の投資判断を“慎重なスタンス”から“中立”に引き上げた。対象銘柄は、ウォルマート(WMT)、ターゲット(TGT)、コールズ(KSS)、メーシーズ(M)、ホーム・デポ(HD)等であり、最初の4銘柄はドイチェバンクの“トップ・ピック”に上げられている。今回の景気刺激策による戻し税や、相次ぐ利下げにより、低所得層の購買力が回復に向かい、特に今年下半期から、業績に貢献するだろうと言う。

3.以下の主要企業の業績が好感された。
マスター・カード(MA)、パルト・ホームズ(PHM)、コルゲート(CL)


ダウ指数は前日比207.53ドル高の12,650.36ドル、S&P500指数は同22.74ポイント高の1,378.55、ナスダック指数は同40.86ポイント高の2,389.86で引けた。

引け後、グーグル(GOOG)とエレクトロニック・アーツ(ERTS)が業績不振からOTC取引で株価が下落している。

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(米国株相場にとっての強材料)
1.アムバック(ABK)
  シティ・グループが同社の目標価格を7ドルから12ドルに引き上げた。
  アムバックが111億ドルにのぼる巨額な税前損失を計上したこと、及び、現在の株価が、見込損失を控除した一株当たり純資産価値(56$)の20%レベルに落ち込んでいる事実は、更に悪化する事態をも織り込んでいると言える。

2.MBIA(MBI)
  モノライン大手が30日引け後不振な業績を発表したが、会社側がAAA格を維持できる見通しを表明したことから株価は急伸。

  コンフェレンスコールで、CEOギャリー・ダントン氏、CFOエドワード・チャプリン氏のコメントで、株は買い戻さた。以下が、コンフェレンス・コールの概要だ。

●サブプライムローンに絡んだ評価損:35億ドル
『モノラインが保証する証券などの価値が下がることで業界は悪影響を受け
 ており、我々も危機を乗り切ることが必要である。しかし、その中でMBIAは非常に有利な立場にあると確信している。正直なところ、市場は過剰に反応しすぎているというのが我々の印象だ。また、その様な不安が同社の株価を1年で約80%下げた要因となっているだろう。』

●資本増強計画について。
『現在17.5億〜20億ドルの資本が不足していると思われるが、資本増強をす
る予定だ。』

●持株会社の流動性リスクについて。
『流動性リスクはない。また、色々な憶測が流れているが、事実ではない。』

●ムーディーズが格下げをする可能性があるとの懸念について。
『資本増強を積極的に行うことで、AAAの格付けを保持することができると確信している。』

3.小売り株
  ドイチェ・バンクが主要小売り株の投資判断を“慎重なスタンス”から“中立”に引き上げた。対象銘柄は、ウォルマート(WMT)、ターゲット(TGT)、コールズ(KSS)、メーシーズ(M)、ホーム・デポ(HD)等であり、最初の4銘柄はドイチェバンクの“トップ・ピック”に上げられている。今回の景気刺激策による戻し税や、相次ぐ利下げにより、低所得層の購買力が回復に向かい、特に今年下半期から、業績に貢献するだろうと言う。

4.パルト・ホームズ(PHM)
米住宅建設大手パルト・ホームズが30日引け後業績発表。2007年10−12月(第4四半期)の売上高は前年同期比34%減の29億ドルとなった。純損失は8億7470万ドル(1株当たり3.46ドル)と、予想(76セントの赤字)を大幅に上回る赤字幅だった。ただし、継続事業ベースでの08年1−3月(第1四半期)の純損失見通しが15−30セント(この見通しには土地関連費用や税制優遇策等の影響は含まれていない)と、かなり改善されていたことから、
好感した買い物が入った。

5.マスター・カード(MA)
  クレジットカード大手が本日寄り前業績発表。予想を上回る好決算だった。

第4四半期(10‐12月期)実績
○売上高…10億7,300万ドル(コンセンサス予想9億7,950万ドル)
○1株当たり利益…0.89ドル(コンセンサス予想0.73ドル)

6.2007年12月の個人消費支出(PCE)は前月比で0.2%増加(前月は1%
増)し、予想(0.1%増)を上回った。個人所得は前月比0.5%増加(前月は
0.4%増)し、予想(0.4%増)を上回った。食品とエネルギーを除くPCEコア価格指数は前月比0.2%上昇となり、予想に一致した。前年同月比のPCEコア価格指数は11月と同様2.2%上昇と、予想通りになった。また、貯蓄率は0.2%と、前月のゼロから回復した。

7.コルゲート(CL)
消費財大手のコルゲート・パルモリブが31日寄り前業績発表。2007年10−12月(第4四半期)の売上高は前年同期比13%増の36億4000万ドルとなった。アナリスト予想では35億3000万ドルと見込まれていた。一部項目を除いた1株当たり利益は91セントと、予想を2セント上回った。同社は2008年通期の1株当たり利益が2けたの伸びとなると予想している。中南米やアジアなどの新興国で生活水準が向上し、日用品を手がけるコルゲートの増益につながった。同社の売上高のうち約75%は海外からのもの。


(米国株相場にとっての弱材料)
1.石油関連株
  製油大手のマラソン・オイルが、業績見通しとして、ガソリン、ディーゼル油の製油マージンが縮小するとしたことから売り物が出た。また、キャメロン・インターナショナル、テソロ・コープの業績が予想を下回った。

2.ピーボディー・エナジー(BTU)
  石炭採掘会社大手が業績を発表したが、予想を下回る不振な内容だった。

3.プロクター&ギャンブル(PG)
  日用品大手が寄り前業績発表。10−12月期の業績は予想を上回ったが、次の1−3月期が予想を下回っている。通期ベースEPSガイダンスも下方修正した。

第2四半期(10‐12月期)実績
○売上高…215億7,500万ドル(コンセンサス予想212億3,809万ドル)
○1株当たり利益…0.98ドル(コンセンサス予想0.97ドル)

第3四半期(1‐3月期)予想
○1株当たり利益…0.79〜0.81ドル(コンセンサス予想0.84ドル)

2008年通期予想
○1株当たり利益…3.46〜3.50ドル(これまでの会社側予想、3.46ドル〜3.49ドルより上方修正した。コンセンサス3.49予想ドル)

4.ブリストル・マイヤーズ(BMY)
薬品大手が寄り前業績発表。10−12月期はEPSが予想を下回り、通期ベースのEPSガイダンスも予想を下回った。サブプライム住宅ローン関連証券に投資し、2億7500万ドルの評価損を計上(税引き前でも1億4200万ドルの含み損を計上した)し、評価損額が最大で4億1700万ドルにまで拡大する可能性があることを明らかにした。

第4四半期(10‐12月期)実績
○売上高…53億8,100万ドル(コンセンサス予想52億4,200万ドル)
○1株当たり利益…0.33ドル(コンセンサス予想0.34ドル)

2008年通期予想
○1株当たり利益…1.60ドル〜1.70ドル(コンセンサス予想1.71ドル)

5.シカゴ購買部協会が31日に発表した1月のシカゴ地区の米製造業景況指数は51.5(前月は56.4)と、予想(52.0)を下回った。

  (主要コンポーネント内訳)
★新規受注…44.7(前月56.7)
★受注残…48.0(前月60.7)
★生産…51.3(前月62.0)
★仕入価格…81.7(前月67.4)
★雇用…47.0(前月49.3)

6.26日に 終わった1週間の新規失業保険申請件数は、前週比6万9000件増の37万5000件。増加幅はハリケーン「カトリーナ」襲撃以来の最大だった。予想(31万9000件)も上回った。前週は30万6000件と、速報値の30万1000件から上方修正された。26日までの4週間移動平均は32万5750人(前週31万5500人)に増加した。21日のキング牧師生誕記念日が祝日だったことから当該週の申請日は4日間で、季節調整が通常より困難になっている。ただし、季節調整前の申請件数は36万6891件で、申請日が5日間あった前年同週の35万9959件を上回った。

7.OPECのヘリル議長は 31日、来月1日に開催する臨時総会で増産も減産も決定する必要はないとの見解を示した。

8.ナスダック(NDAQ)
米株式市場ナスダックの運営会社、ナスダック・ストック・マーケットが31日寄り前業績発表。2007年10−12月(第4四半期)の通貨オプション取引収入や一部費用を除くベースでは1株利益は46セントと、予想を1セント下回った。取引増加に伴い総収入が過去最高に膨れ上がった。

9.ワイス(WYE)
製薬大手のワイスは31日、世界規模で 4―6%の人員削減を2月に実施すると言う。後発医薬品との競争激化が背景。人員削減の規模は向こう2−3年間で最大10%に達する可能性があると言う。


個別銘柄編

投資判断変更

1. ノードストローム (JWN)
  ベア・スターンズが、同社の投資判断を“ピアパフォーム”から
  “アウトパフォーム”に引き上げた。

2.ギリヤド・サイエンスズ(GILD)
  ワコビアが、同社の投資判断を“マーケットパフォーム”から“アウト
  パフォーム”に引き上げた。

3.シュラムバーガー (SLB)
  RBCキャピタルマーケットスが、同社の投資判断を“アウトパフォー
  ム”から“セクターパフォーム”に引き下げた。

4.モンスター・ワールドワイド(MNST)
  ドイチェ・セキュリティズが、同社の投資判断を“買い”から“保有”に
  引き下げた。
  
5.アドーべ・システムズ (ABDE)
  ジェファリー&カンパニーが、同社の投資判断を“買い”から“アンダー
  パフォーム”に引き下げた。また、同社の目標価格を50ドルから30ドル
  へ引き下げた。
  
6.ヤム・ブランド (YUM)
  ドイチェ・セキュリティズが、同社の投資判断を“買い”から“保有”に
  引き下げた。また、同社の目標価格を43ドルから37ドルへ引き下げた。

7.ブリストール・マイヤーズ (BMY)
  ナティキス・ブレイキロエダーが、同社の投資判断を“売り”から
  “保有”に引き上げた。また、同社の目標価格を22ドルとした。

8.ジェット・ブルー (JBLU)
  マトリックスUSAが、同社の投資判断を“保有”から“売り”に引き下
  げた。


価格目標変更

1.シマンテック(SYMC)
  スタンフォード・リサーチが、投資判断は“保有”に新規格付けとした。

2.レッド・ハット(RHT) 
  スタンフォード・リサーチが、投資判断は“保有”に新規格付けとした。

3.マイクロソフト (MSFT)
  スタンフォード・リサーチが、投資判断は“買い”に新規格付けとした。

4.リサーチ・イン・モーション (RIMM) 
  カリス&カンパニーが、投資判断は“平均”に新規格付けとした。また、
  同社の目標価格を96ドルとした。

5.ノキア (NOK)
  カリス&カンパニーが、投資判断は“平均以上”に新規格付けとした。

6.アンテイラー (ANN)
  UBSが、同社の目標価格を22ドルから24ドルへ引き上げた。また、
  投資判断は“中立”とした。

7.スターバックス(SBUX)
  RBCキャピタル・マーケットスが、同社の目標価格を22ドルから21
  ドルへ引き下げた。また、投資判断は“セクターパフォーム”とした。

8.ノベラス (NVLS)
  RBCキャピタル・マーケットスが、同社の目標価格を34ドルから31
  ドルへ引き下げた。また、投資判断は“アウトパフォーム”とした。

9.アマゾン・ドット・コム (AMZN)
  RBCキャピタル・マーケットスが、同社の目標価格を113ドルから100
  ドルへ引き下げた。また、投資判断は“アウトパフォーム”とした。

10.スターバックス(SBUX)
  リーマンブラザーズが、同社の目標価格を27ドルから25ドルへ引き下
  げた。また、投資判断は“オーバーウエイト”とした。

11.オキシデント・ぺトロ (OXY)
  リーマンブラザーズが、同社の目標価格を66ドルから69ドルへ引き上
  げた。また、投資判断は“イコールウエイト”とした。

12.ボーイング(BA)
  リーマンブラザーズが、同社の目標価格を112ドルから105ドルへ引き下
  げた。また、投資判断は“オーバーウエイト”とした。

13.ボーイング(BA)
  Am・テック・リサーチが、同社の目標価格を64ドルから66ドルへ引き
  上げた。また、投資判断は“売り”とした。

14.アマゾン・ドット・コム (AMZN)
  Am・テック・リサーチが、同社の目標価格を69ドルから65ドルへ引き
  下げた。また、投資判断は“売り”とした。

15.エレクトロニック・アート (ERTS)
  カフマン・ブラザーズが、同社の目標価格を62ドルから58ドルへ引き下
  げた。また、投資判断は“保有”とした。

16.ボーイング(BA)
  シティグループが、同社の目標価格を87ドルから78ドルへ引き下
  げた。また、投資判断は“売り”とした。

17.アマゾン・ドット・コム (AMZN)
  BWS・ファイナンシャルが、同社の目標価格を62ドルから58ドルへ引
  き下げた。また、投資判断は“保有”とした。

18.ギリヤド・サイエンスズ(GILD)
  ロッドマン&レンシャウが、同社の目標価格を56ドルから54ドルへ引
  き下げた。また、投資判断は“マーケット・アウトパフォーム”とした。



=以上=
posted by mori at 08:33 | TrackBack(2) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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