6月29日
森 崇
高寄りし、ダウ指数は午前10時頃、前日比100ドルを超す上昇を記録した。しかし、午後3時くらいに急落に転じ、今度は前日比100ドルを超す下落となった。しかし、引け前30分で戻し歩調に転じ、結局前日比小幅安で取引を終了した。
(背景)
1.SECがベアスターンズの損失ファンドに関し、更に入念な調査に入ったとの
ニュースが伝わった。
2.イギリスのヘッジファンド、カリバー・グローバル・インベストメント(ケン
ブリッジ・インベストメント・マネージメントが運用)が清算し、投資家に資
金を返却すると言う。サブプライム住宅ローンの貸し倒れで、運用成績が悪
化したことが背景。
3.ロンドン警視庁は29日、ロンドン中心部で同日未明、自動車爆弾を使った大
規模なテロ未遂事件が起こったことを明らかにした。警察が現場を封鎖して
調べたところ、大量のガソリン、起爆装置とみられる機材等が見つかったと
言う。携帯電話による遠隔操作で爆破させる可能性があったと伝えた。
4.29日のニューヨーク原油先物相場は上昇。1バレル=70ドルを超え、9カ月
ぶりの高値を付けた。@製油所がガソリンなどの石油製品の精製を加速させ
ており、原油在庫が減少するとの思惑から買いが優勢になった。AWTI受渡
地点(オクラホマ州クッシング)の在庫が減少したこと等が背景。ニューヨ
ーク商業取引所(NYMEX)で取引される原油先物8月限終値は、前日比
1.11ドル高の1バレル=70.68ドル。
原油価格上昇から石油関連株が買われた他、本日午後6時(米国東部標準時)からiPhone発売を開始するアップル(AAPL)株が買われた。また、ゴールドマン・ザックスがポジティブ・コメントを出したラスベガス・サンズ(LVS)を中心とするカジノ関連銘柄も総じて高かった。また、昨日引け後好決算を発表したDRAMメーカー大手マイクロン・テクノロジー(MU)、携帯情報端末メーカー、リサーチ・イン・モーション(RIMM)が上昇。一方、サブプライム住宅ローン懸念から証券を始めとした金融株が下落した。
ダウ指数は前日比13.66ドル安の13,408.62ドル、S&P500指数は同2.36ポイント安の1,503.35、ナスダック指数は同5.14ポイント安の2,603.23で引けた。
(米国株相場にとっての強材料)
1.5月の個人消費支出(PCE)は前月比0.5%増加で、伸び率は前月と変わら
ず。予想は0.7%増だった。5月の個人所得は前月比0.4%増と、予想(0.6%
増)を下回った。PCEコア価格指数は前月比0.1%上昇で、伸び率は4月と
変わらず。5月の同項目は予想と一致した。前年比のPCEコア価格指数は
1.9%上昇と、2004年3月以来の最小の伸びとなった。個人消費は第2四半期
に入り、明らかに減速している。貯蓄率は前月比マイナス1.4%と、前月のマ
イナス1.2%からマイナス幅が拡大した。マイナス幅は2006年8月(マイナ
ス1.5%)以来の最大。これで、米国の貯蓄率は2005年4月以来、26カ月連
続マイナス。
2.5月の米建設支出は前月比0.9%増(前月は0.2%増)と予想(0.1%増)を上
回った。
3.6月ミシガン大学消費者マインド指数(確定値)は85.3と、速報値(83.7)
から上方修正された。
4.シカゴ購買部協会が29日に発表した6月のシカゴ地区の米製造業景況指数
は60.2と、5月(61.7)から低下したものの、予想(58)を上回った。5月は
2005年4月以来の最高だった。
(主要コンポーネント内訳)
★仕入価格…68.1(前月70.2)。
★生産…66.5(前月69.8)。
★新規受注…65.7(前月71.1)。
5.アポログループ(APOL)
大学経営の同社が28日引け後に好決算を発表。第3四半期のEPSは81セン
トと、予想(68セント)を大きく上回った。また、5億ドル分の自社株買戻
しも発表。
6.ブラック・ボックス(BBOX)
ネットワーク機器販売大手の第4四半期EPSは、71セントと、予想(61セ
ント)を大幅に上回った。
7.アリバ(ARBA)
CIBCワールドマーケッツが“マーケット・アンダーパフォーマー”から、
“マーケット・オーバーパフォーマー”に投資判断を引き上げた。
8.プライスライン・ドット・コム(PCLN)
ゴールドマンザックスが同社の投資判断を“中立”から“買い”に引き上げ
た。
9.コマース・バンコープ(CBH)
ヒルCEOが更迭。連邦当局と和解が成立。
10.デルファイ
自動車部品メーカー大手に好材料。UAW組合員が労使協約を賛成68%で承
認した。全米自動車労組(UAW)の組合員は29日、同社が早期退職勧奨案
の替わりに提示した賃金カットを盛り込んだ労使協約を賛成68%、反対32%
で承認。これでデルファイは、再建手続きの年内完了に向けて前進が見込ま
れる。またデルファイの元親会社ゼネラル・モーターズ工場にも影響しかね
ないスト発生リスクも軽減。
12.シティグループは29日、米証券大手ベアー・スターンズが傘下のヘッジファ
ンド救済に16億ドルの拠出を決定したことで、同社社債は割安にな水準に下
げたとし、社債投資判断を「ホールド」から「買い」に引き上げた。
(米国株相場にとっての弱材料)
1.パーム(PALM)
携帯情報端末メーカー大手株の投資判断が引き下げられた。ドイチェ・バンク
が“保有”から“売り”に。
2.アメリカン・ホーム・インベストメント(AHM)
不動産投資信託同社株が急落。同社は28日引け後、ローン債権の買い戻しに
相当な費用が伴い、業績に影響を及ぼすと述べ、2007年4−6月期(第2四
半期)は赤字になる可能性があるとの見通しを示した。同社が投資家へ債権
を売り出す際には、返済が滞った場合にすみやかに買い戻すことを保証して
いた。住宅ローンの債務不履行が増加し、業績を損ねるとの懸念が背景。
3.ロンドン警視庁は29日、ロンドン中心部で同日未明、自動車爆弾を使った大
規模なテロ未遂事件が起こったことを明らかにした。警察が現場を封鎖して
調べたところ、大量のガソリン、起爆装置とみられる機材、くぎが見つかっ
たと言う。携帯電話による遠隔操作で爆破させる可能性があったと伝えた。
個別銘柄編
投資判断変更
1.アポロ・グループ(APOL)
BMOキャピタル・マーケットスが、同社の投資判断を“マーケットパフォ
ーム”から“アウトパフォーム”に引き上げた。
2.リサーチ・イン・モーション (RIMM)
モーガン・キーガンが、同社の投資判断を“マーケットパフォーム”から“
アウトパフォーム” に引き上げた。
3.フラワー (F)
JPモルガンが、同社の投資判断を“中立”から“オーバーウエイト” に引
き上げた。
4.リサーチ・イン・モーション (RIMM)
RBCキャピタル・マーケットスが、同社の投資判断を“アウトパフォー
ム”から“トップ・ピック” に引き上げた。
5.リサーチ・イン・モーション (RIMM)
JMPセキュリティズが、同社の投資判断を“マーケットパフォーム”から
“マーケット・アウトパフォーム” に引き上げた。また、株価の目標価格を
240ドルとした。
6.バーナーズ&ノーブル (BKS)
マトリックス・リサーチが、同社の投資判断を“買い”から“保有” に引き
下げた。
7.ナショナル・セミコンダクター (NSM)
マトリックスUSAが、同社の投資判断を“買い”から“保有” に引き下げ
た。
価格目標変更
1.サン・マイクロシステム(SUNW)
カリス&カンパニーが、同社の投資判断を“平均”に新規格付けした。ま
た、株価の目標価格を6ドルとした。
2.シボット・ホールディング (BOT)
バーンステインが、同社の投資判断を“マーケットパフォーム”に新規格付
けした。また、株価の目標価格を220ドルとした。
3.リサーチ・イン・モーション (RIMM)
パイパー・ジェファリーが、株価の目標価格を166ドルから186ドルへ引き
上げた。また、投資判断は“マーケットパフォーム”で据え置いた。
4.バイドウ・ドット・コム (BIDU)
シティグループが、株価の目標価格を150ドルから195ドルへ引き上げた。
また、投資判断は“買い”で据え置いた。
5.マカフィー (MFE)
フライドマン・ビリングスが、株価の目標価格を35ドルから42ドルへ引き
上げた。また、投資判断は“アウトパフォーム”で据え置いた。
=以上=



