11月10日
森 崇
反落。
G20財務相・中央銀行総裁会議が経済成長に向けた対策を講じる意思を表明し、中国が4兆元の景気刺激策を発表したことから、朝方は高かったが、以下の材料によりじり安となった。
(背景)
1.ゼネラル・モーターズ(GM)
@今週号バロンズ紙が、GM株の売りを推奨した。直近決算内容は、すでに破綻企業の内容であるとし、たとえ政府の救済を仰いだとしても、株主や社債債権者は犠牲になるだろうとしている。
Aバークレイズ・キャピタルとドイツ銀行は10日、ゼネラル・モーターズ 株の投資判断をそれぞれ「アンダーウエート」と「売り」に引き下げた。
2.ファニーメイ(FNM)
米住宅金融のファニーメイ(連邦住宅抵当金庫)が10日発表した7―9月(第3四半期)決算は四半期として過去最高の赤字額を記録。同社はさらに、2009年に公的資金の注入を受け入れる必要性が生じる可能性があることを明らかにした。公的管理下に置かれた9月に起用されたアリソンCEOは、繰り延べ税控除額を大幅に引き下げ、デフォルト予想を引き上げた上、信用損失が増大するとの見通しを示した。
3.ゴールドマン・サックス(GS)
バークレイズは、ゴールドマン・サックスのプライベートエクイティ(未公開株)投資部門が株式相場の急落で打撃を受けたとして、同社が株式上場後で初の四半期赤字を計上する可能性があると指摘した。バークレイズは従来、1株当たり2.71ドルの利益を見込んでいた。
4.グーグル(GOOG)
バークレイズが、グーグルの第4四半期、2009年通期ベース売上高予想と、目標株価を下方修正した。景気悪化の影響が遂にサーチエンジンに及ぶだろうとしている。
5.サーキット・シティ(CC)
米家電量販大手サーキット・シティ・ストアーズは10日、連邦破産法11条の適用を申請した。ベスト・バイやウォルマート・ストアーズなどに加えオンラインの家電小売り会社との競争が激化し経営が行き詰まった。同社の資産は34億ドル(約3370億円)、負債は23億2000万ドル。
ダウ指数は前日比73.27ドル安の8,870.54ドル、S&P500指数は同11.78ポイント安の919.21、ナスダック指数は同30.66ポイント安の1,616.74で引けた。
(米国株相場にとっての強材料)
1.マクドナルド(MCD)
マクドナルドが10日発表した10月の既存店売上高は、前年同月比8.2%増加した。内訳は、欧州の売上高が9.8%増、米国市場は5.3%増だった。1ドルメニュー商品が好調だった。
2.アメリカン・インターナショナル・グループ(AIG)
米政府は、AIGの救済策で資金援助の規模を1500億ドル(約14兆8900億円)超に拡大した。これを好感し、AIG株は上昇した。ただし、AIGの2008年7−9月(第3四半期)決算は4四半期連続の赤字となった。同社の第3四半期純損益は245億ドル(1株当たり9.05ドル)の赤字。政府は9月に設定した850億ドルの融資枠を600億ドルに縮小する一方で、優先株購入によりAIGに400億ドルを出資する。また、AIGが保有または保証している住宅ローン担保証券(MBS)の処理に向け最大525億ドルを提供する。
3.アップル(AAPL)
米調査会社NPDグループが10日発表した2008年7−9月(第3四半期)の米携帯端末人気ランキングによれば、アップルの携帯電話「iPhone 3G」が首位に立ち、4−6月期まで12期連続でトップだったモトローラの「Razr」に取って代わった。同ランキングは企業による購入分を除いた消費者の購入台数をまとめたもの。米国全体で携帯端末売上高が15%減少しているにもかかわらず、7月に売り出されたアイフォーンの最新モデルは売り上げを伸ばしていると言う。これまでトップだったレーザーは2位に転落し、これにカナダのリサーチ・イン・モーションの「ブラックベリー」と、韓国のLG電子の2モデルが続いた。
4.中国が総額4兆元(約57兆5300億円)規模の景気刺激策を発表。
(骨子)
★刺激策の規模は中国の昨年の国内総生産(GDP)のほぼ5分の1に相当。2010年末までに実施。
★1000億元分は今年10−12月期に割り当てられる。
★投資の対象としては、低価格住宅の供給、農村部のインフラ整備、新たな鉄道・道路・空港の建設、医療、教育、環境保護、科学技術、災害地域の復興など、10の重点分野が設けられている。
★設備投資を後押しするため、機械などの固定資産購入に対して税控除を認める。
★金融機関の融資規制を撤廃し、企業向けに1200億元(約1兆7000億円)の減税も実施。
★農家向け対策として穀物買い入れ価格と補助金を引き上げ、更に都市部の低所得層への手当を増額する。
★小規模企業への融資拡大のために、ローン制限を撤廃。
(米国株相場にとっての弱材料)
1.ゼネラル・モーターズ(GM)
@今週号バロンズ紙が、GM株の売りを推奨した。直近決算内容は、すでに破綻企業の内容であるとし、たとえ政府の救済を仰いだとしても、株主や社債債権者は犠牲になるだろうとしている。同紙が年初に買いを推奨したのは誤りだったとした。
Aバークレイズ・キャピタルとドイツ銀行は10日、ゼネラル・モーターズ 株の投資判断をそれぞれ「アンダーウエート」と「売り」に引き下げた。ドイツ銀行はGMの株価目標をゼロとした。ドイツ銀行は、GMが破たんを回避できたとしても、同社の将来の運命は破たんに近いだろうとしている。バークレイズは、政府支援によってGMの破たんの可能性は低下するものの、政府支援はGM株を大幅に希薄化させるだろうと指摘、GMの株価予想を1ドルとした。
2.ファニーメイ(FNM)
米住宅金融のファニーメイ(連邦住宅抵当金庫)が10日発表した7―9月(第3四半期)決算は四半期として過去最高の赤字額を記録。赤字幅は290億ドル(1株当たり13ドル)と、前年同期の14億(同1.56ドル)の赤字から大幅に悪化した。同社が資産価値を少なくとも214億ドル引き下げたことが原因。同社はさらに、2009年に公的資金の注入を受け入れる必要性が生じる可能性があることを明らかにした。公的管理下に置かれた9月に起用されたアリソンCEOは、繰り延べ税控除額を大幅に引き下げ、デフォルト予想を引き上げた上、信用損失が増大するとの見通しを示した。
3.タイソン・フーズ(TSN)
米食肉加工大手のタイソン・フーズが10日寄り前決算発表。7−9月(第4四半期)の売上高は前年同期比9.5%増の72億ドル、1株あたり利益は13セントとなった。予想は、売上高が70億4000万ドル、EPSが19セントだった。コスト削減のために食肉処理施設を縮小し、牛肉を値上げしたが、利益は予想を大幅に下回った。
4.メリルリンチのアナリストらは、ガソリンやディーゼル油などの燃料需要が2009年にさらに落ち込む恐れがあるとの見通しを示した。景気減速に加え、消費者が支出を抑制することが背景。
5.トリシェ欧州中央銀行(ECB)総裁は10日、インフレ率の低下が確認されれば、景気悪化に対処するため、利下げが可能になるとの見解を明らかにした。同総裁はサンパウロで9日に開かれた20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議で議長を務めた。
6.205年の歴史を持つスウェーデンの投資銀行、D・カーネギーは、銀行免許を失い当局の監督下に置かれることになった。同国の金融監督当局が10日発表した。カーネギーは当局の指導の下で銀行免許を回復できる可能性があるという。
7.ノーテル・ネットワーク(NT)
北米最大の通信機器メーカー、カナダのノーテル・ネットワークが10日発表した2008年7−9月(第3四半期)決算では、直近7年で最大の純損失となった。同社は従業員1300人を削減する計画を明らかにした。
8.世界第3位の規模を誇るロシアの外貨準備をもってしても、原油相場の急落と資本逃避には対抗しきれず、ロシア中央銀行はルーブルの切り下げを受け入れざるを得ないかもしれないとの観測が高まってきた。
9.ゴールドマン・サックス(GS)
バークレイズは、ゴールドマン・サックスのプライベートエクイティ(未公開株)投資部門が株式相場の急落で打撃を受けたとして、同社が株式上場後で初の四半期赤字を計上する可能性があると指摘した。バークレイズの予想によると、ゴールドマンの9−11月(第4四半期)決算の1株当たり損失は2.50ドル。メリルリンチ、UBS、JPモルガン・チェース、モルガン・スタンレーもゴールドマンの赤字決算を予想している。バークレイズは従来、1株当たり2.71ドルの利益を見込んでいた。
個別銘柄編
投資判断変更
1.ウエルス・ファーゴ(WFC)
CSFBが、同社の投資判断を“中立” から“アウトパフォーム”に引き上げた。また、同社の目標価格を38ドルとした。
2.ゼネラル・モーターズ(GM)
ドイチェ・セキュリティズが、同社の投資判断を“保有” から“売り”に引き下げた。また、同社の目標価格を4ドルから0ドルへ引き下げた。
3.アプライド・マテリアルズ(AMAT)
オッぺンヘイマーが、同社の投資判断を“アウトパフォーム” から“パフォーム”に引き下げた。
4.アバクロンビ(ANF)
バークレイズ・キャピタルが、同社の投資判断を“オーバーウエイト”から“イコールウエイト”に引き下げた。
5.ゼネラル・モーターズ(GM)
バークレイズ・キャピタルが、同社の投資判断を“イコールウエイト”から“アンダーウエイト”に引き下げた。
6.アン・テイラー(ANN)
バークレイズ・キャピタルが、同社の投資判断を“オーバーウエイト”から“イコールウエイト”に引き下げた。
7.サンパワー(SPWRA)
ドイチェ・セキュリティズが、同社の投資判断を“買い” から“保有”に引き下げた。
8.ファースト・ソーラー(FSLR)
ドイチェ・セキュリティズが、同社の投資判断を“買い” から“保有”に引き下げた。
9.タイソン・フーズ(TSN)
DA・デビットソンが、同社の投資判断を“買い” から“中立”に引き下げた。また、同社の目標価格を22ドルから7.50ドルへ引き下げた。
個別銘柄編
価格目標変更
1.スプリント・ネクストテル(S)
BMOキャピタル・マーケットスが、同社の目標価格を8ドルから5ドルへ引き下げた。また、同社の投資判断を“マーケットパフォーム”とした。
2.フォード・モーター(F)
CSFBが、同社の目標価格を4ドルから1ドルへ引き下げた。また、同社の投資判断を“中立”とした。
3.シアーズ(SHLD)
バークレイズ・キャピタルが、同社の目標価格を80ドルから55ドルへ引き下げた。また、同社の投資判断を“イコールウエイト”とした。
4.グーグル(GOOG)
バークレイズ・キャピタルが、同社の目標価格を542ドルから490ドルへ引き下げた。また、同社の投資判断を“オーバーウエイト”とした。
5.ゴールドマン・サクス(GS)
バークレイズ・キャピタルが、同社の目標価格を170ドルから135ドルへ引き下げた。また、同社の投資判断を“イコールウエイト”とした。
6.スプリント・ネクストテル(S)
ドイチェ・セキュリティズが、同社の目標価格を9ドルから6ドルへ引き引き下げた。また、同社の投資判断を“保有”とした。
=以上=



