2008年07月12日

続落。

米国株相場レポート

7月 11日

森  崇

続落。


(背景)
1.金融株安く、信用不安が根強い。
@ファニーメイ とフレディマックに対し、米政府が支援に追い込まれるとの観測から、その際、米国債の最高格付けが引き下げられる可能性があるとの見方が出、米国債が売られた。

Aワコービア(WB)
フォックス・ピット・ケルトン・コクラン・キャロニア・ウォーラーは、米銀第4位ワコービアの投資判断を「インライン」と、従来の「アウトパフォーム」から引き下げた。また、最高70億ドルの増資と減配を実施するとの見通しを示した。

2.原油価格が急騰。
  (背景)
@エルサレム・ポスト紙が、イスラエルの戦闘機が、イラク領空内でテスト飛行を繰り返していると報じたことから、イラン攻撃が懸念された。
Aナイジェリアの政情不安。軍事組織、ナイジェリア・デルタ解放軍(MEND)が、土曜日に2週間にわたる休戦期間が終了するとの声明を出した。
Bブラジル国営石油(ペトロブラス)の労組が昨日、5日間のスト決行を発表。


ダウ指数は前日比128.48ドル安の11,100.54ドル、S&P500指数は同13.90ポイント安の1,239.49、ナスダック指数は同18.77ポイント安18.77安の2,239.08で引けた。

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(米国株相場にとっての強材料)
1.ゼネラル・エレクトリック(GE)
複合大手のゼネラル・エレクトリックが11日寄り前業績発表。2008年4−6月(第2四半期)の売上高は469億ドル、継続事業ベースの一株当たり利益は54セントとなった。エネルギー機器とサービス契約の販売好調が金融部門の減益を補い業績に貢献した。予想は、売上高が453億ドル、一株当たり利益が54セントだった。日本の消費者金融事業を5800億円で売却、照明・スイッチ事業をスピンオフ(分離・独立)する方針も示している。08年通期1株利益は2.20−2.30ドルとの見通しをあらためて示した。

2.7月のロイター・ミシガン大学消費者マインド指数(速報値)は56.6(6月確定値は56.4)と、予想(55.5)を若干上回った。今後6カ月間の先行き景況感を示す指数は48.3と、前月の49.2から低下し、80年以来の低水準。一方、現在の景況感を示す指数は69.5と、前月の67.6から上昇した。

3.天然ガス世界最大手、ロシア国営のガスプロムはリビア産原油と天然ガスの販売を年内にも再開する可能性があると言う。同社のアレクセイ・ミラーCEOは今月9日、リビアの最高指導者カダフィ大佐との会談で、リビアの未契約分の輸出向け原油・天然ガスをすべて買い取る提案を行った。売却はスワップ方式もしくは直接販売になる見通し。

4.アンハイザー・ブッシュ(BUD)
米ビール醸造最大手のアンハイザー・ブッシュは同業世界最大手、ベルギーのインベブが買収提示額を当初案から7.7%引き上げ1株当たり70ドルとしたことを受けて、インベブとの交渉を開始した。


(米国株相場にとっての弱材料)
1.6月の輸入物価指数は前月比2.6%上昇(前月も2.6%上昇)と、予想(2.0%上昇)を上回った。原油高騰、ドル安の影響で輸入品が値上がりしている。6月の石油を除く輸入物価指数は前月比0.9%の上昇だった。

2.ワコービア(WB)
フォックス・ピット・ケルトン・コクラン・キャロニア・ウォーラーは、米銀第4位ワコービアの投資判断を「インライン」と、従来の「アウトパフォーム」から引き下げた。また、最高70億ドルの増資と減配を実施するとの見通しを示した。また、2008年通期ベース1株当たり51セントの赤字を計上すると予想した。従来の見通しは57セントの黒字だった。

3.ファニーメイ(FNM)とフレディマック(FRE)
ファニーメイとフレディマックの株価は1991年以来の安値に下落しており、両社が発行した社債の5兆2000億ドル相当を世界各国の中央銀行や年金基金などが保有している。

@ファニーメイ とフレディマックの状態が悪化し続けた場合、両社あるいはどちらか1社を公的に管理する計画を検討しているとNYタイムズ紙が報じた。両社の債務は計5兆2000億ドル(約550兆円)。スタンダード・プアーズは4月に、米政府が両社を支援することになった場合、米国債の最高格付けが引き下げられる可能性があると示唆していた。一方、別の格付け会社ムーディーズ・インベスターズ・サービスは11日、米政府がファニーメイとフレディマックの救済を余儀なくされても、米国債の格付けは「AAA」の十分な範囲内にとどまるとの見解を示した。切迫しても、米政府が供給を迫られる資金はさほど大きくなく、米国債の格付けについて懸念させるものではないとしている。11日のクレジット・デフォルトスワップ(CDS)市場で、米国債の保証コストが約4カ月ぶり高水準に達している。ファニーメイとフレディマックを米政府が救済し、米国のAAA格付けが脅かされるとことへの懸念が
背景。

Aブッシュ米大統領は11日、ファニーメイとフレディマックは非常に重要な機関だと述べ、ポールソン財務長官がこの問題に全力を尽くしているとの認識を示した。

Bポールソン米財務長官は11日、声明を発表し、米政府は住宅金融のファニーメイ(米連邦住宅抵当金庫)とフレディマック(連邦住宅貸付抵当公社)について、株式会社としての現行体制を維持していくよう支援する方針を表明、政府の管轄下には置かない意向を示唆した。ファニーメイとフレディマックは12兆ドルの全米住宅ローン残高のうち約半分を保有もしくは保証している。

Cジョン・マケイン上院議員と上下両院合同経済委員会委員長のチャールズ・シューマー上院議員(民主)は、米住宅ローン12兆ドル規模の約半分を融資あるいは保証するファニーメイとフレディマックは連邦政府の支援を当てにできるはずだと発言。住宅不況の悪化を招きかねない両社の破たんを防ぐよう、議会がブッシュ政権に公的資金の活用を強く求める姿勢を示唆。下院金融委員会のスペンサー・バッカス議員(共和)は同日、社債保有者は破たん防止措置を当てにできるかもしれないが、株主は米政府が両社の株価下落を食い止めるとは期待できないだろうとコメント。

Dシティグループは11日、フレディマックとファニーメイの株式の売り浴びせはファンダメンタルズに基づくものではないとの見方を示した。シティは両社の株式投資判断を「買い」で据え置いた。ファニーメイとフレディマックの国営化は予想していないとし、フレディマックは55億ドルの増資に専念していると指摘。

Eパイパー・ジャフレーは11日、フレディマックとファニーメイの現在の体制を維持するためには米政府による両社への資金投入が必要になるとの見方を示した。ファニーメイとフレディマックを現在の体制にとどめることは正しい。両社の体制を変更したり大幅に改めれば、米国の国民にとっても信用市場や住宅市場にとっても大打撃となろうとしている。ただし、恐らく若干の資金投入も必要だろう。現時点で投入する資金が多いほど、長期的には少ない資金提供で済み、これはすべて人により良い結果をもたらすとしている。

Fオプション・リサーチ会社オプション・モンスターは、ファニー、フレディ両社は事業を継続してゆこうが、株は無価値化するだろうとコメント。                                    

Gフォックス・ピット・ケルトンとフリードマン・ビリングス・ラムジーのアナリスト試算によると、米当局が救済措置を迫られるとすれば、ファニーメイとフレディマックは約770億ドル程度の損失・評価損の計上が必要とみられる。両社はすでに損失補てんで200億ドルを調達しており、従って、政府救済が差し迫っていると考えるべきではないとしている。フォックス・ピットは、破たんとみなされるには、ファニーメイが「直ちに」400億ドル、フレディマックは370億ドルの損失をそれぞれ出す必要があると指摘。フリードマン・ビリングスは、破たんに陥る場合の損失についてそれぞれ約450億ドル、300億ドルと試算している。

HFRBのバーナンキ議長が、両社はFRBの連銀貸出しを利用できると発言した。これを背景に、一時株価は急速に戻った。

4.UAL(UAL)
ユナイテッド航空の親会社UALは11日、2008年4−6月(第2四半期)決算で、航空機などの減価償却ならびに従業員の解雇手当として最大27億ドルのコストを計上するとの見通しを明らかにした。

5.アドバンスト・マイクロ・デバイシズ(AMD)
半導体大手アドバンスト・マイクロ・デバイシズは11日、4−6月(第2四半期)決算で評価損として8億8000万ドルを計上することを明らかにした。グラフィックチップメーカー、ATIテクノロジーズの買収が予想通りの効果を上げていないのが背景。同社はこのほかにも主に人員削減関連費用として3200万ドルを計上する。


個別銘柄編
投資判断変更
1. モルガン・スタンレー(MS)
HSBCセキュリティズが、同社の投資判断を“中立”から“オーバーウエイト”に引き上げた。

2.ワコビア(WB)
フォックス・ピットが、同社の投資判断を“アウトパフォーム”から“イン・ライン”に引き下げた。

3.アプライド・マテリアルズ(AMAT)
シティグループが、同社の投資判断を“買い”から“保有”に引き下げた。

4.マリオット(MAR)
サスクエハンナ・ファイナンシャルが、同社の投資判断を“ポジティブ” から“中立”に引き下げた。

5.マリオット(MAR)
JMPセキュリティズが、同社の投資判断を“マーケット・アウトパフォーム” から“マーケットパフォーム”に引き下げた。


個別銘柄編 
価格目標変更
1. オラクル (ORCL)
CSFBが、同社の投資判断を“中立”に新規格付けした。また、同社の目標価格を24ドルとした。

2.マイクロソフト (MSFT)
CSFBが、同社の投資判断を“アウトパフォーム”に新規格付けした。また、同社の目標価格を35ドルとした。

3.スターバックス(SBUX)
バンク・オブ・アメリカ・セキュリティズが、同社の投資判断を“中立”に新規格付けした。

4.マクドナルド(MCD)
バンク・オブ・アメリカ・セキュリティズが、同社の投資判断を“中立”に新規格付けした。

5.ヤム・ブランド(YUM)
バンク・オブ・アメリカ・セキュリティズが、同社の投資判断を“買い”に新規格付けした。

6.CVS・ケアマーク (CVS)
ジェファリーズ&カンパニーが、同社の投資判断を“買い”に新規格付けした。また、同社の目標価格を50ドルとした。

7.グーグル(GOOG)
ドイチェ・セキュリティズが、同社の投資判断を“買い”に新規格付けした。また、同社の目標価格を635ドルとした。

8.ウォルグリーン(WAG)
ジェファリーズ&カンパニーが、同社の投資判断を“保有”に新規格付けした。また、同社の目標価格を35ドルとした。

9.サンパワー(SPWR)
カリス&カンパニーが、同社の投資判断を“平均以上”に新規格付けした。また、同社の目標価格を80ドルとした。

10.ファースト・ソーラー (FSLR)
カリス&カンパニーが、同社の投資判断を“買い”に新規格付けした。また、同社の目標価格を350ドルとした。

11.サン・マイクロシステムズ(JAVA)
カリス&カンパニーが、同社の目標価格を14.50ドルから10.50ドルへ引き下げた。また、投資判断は“平均”とした。

12.ウイン・リゾートス(WYNN)
キーバンク・キャピタル・マーケットスが、同社の目標価格を70ドルから63ドルへ引き下げた。また、投資判断は“アンダーウエイト”とした。

13.ウイン・リゾートス(WYNN)
サスクエハンナ・ファイナンシャルが、同社の目標価格を143ドルから95ドルへ引き下げた。また、投資判断は“ポジティブ”とした。

14.ティ・ロウ・プライス(TROW)
フリードマン・ビリングスが、同社の目標価格を52ドルから50ドルへ引き下げた。また、投資判断は“アンダーパフォーム”とした。

15.ノーブル・コープ(NE)
フリードマン・ビリングスが、同社の目標価格を71ドルから76ドルへ引き下げた。また、投資判断は“アウトパフォーム”とした。



=以上= 
posted by mori at 18:19 | TrackBack(1) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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