2008年07月08日

荒い動き。

米国株相場レポート

7月 7日

森  崇

荒い動き。一時前日比プラスに転じるも、引けにかけ軟化。金融株に悪材料が出るとともに、薬品大手メルクの投資判断が引き下げられた。また、リセッション、設備投資鈍化懸念から、半導体株や、ネットワーク関連株が下げを主導した。一方、好業績見通しから、IBM等コンピュータ株が買われた。また、iPhone3Gに対し、調査会社の強気見通しが出、アップル株が買われるとともに、買収観測再燃から、ヤフー株が物色された。


(指数が下げた背景)
1.金融株に悪材料
@ファニー・メイ(FNM)とフレディマック(FRE)
会計基準の変更によって住宅金融大手2社が計約8兆円の資本増強を強いられる可能性があるとリーマンブラザーズがコメントした。
Aインディマック・バンコープ
米独立系住宅金融会社大手、インディマック・バンコープは7日、2008年4−6月(第2四半期)の損失が1−3月(第1四半期)を上回ったと発表した。
Bメリル・リンチ(MER)
シティグループは、メリルリンチが2008年4−6月(第2四半期)に、主に高格付けのCDOで60億ドルの評価損を計上し同四半期が1株当たり3.95ドルの赤字となるとの予想を示した。

2.薬品株に悪材料
@テバ・ファーマスーティカル・インダストリーズ(TEVA)
イスラエルの医薬品メーカー、テバ・ファーマスーティカル・インダストリーズの多発性硬化症治療薬「コパクソン」の試験の結果、ライバル会社は同薬の後発薬の販売が容易になる可能性があると言う。
Aメルク(MRK)
“ガルダシル”の売行きが不振だとして、メルク株の投資判断を“買い”から“中立”に、目標価格を43ドルから40ドルに引き下げた。

ダウ指数は前日比56.58ドル安の11,231.96ドル、S&P500指数は同10.59ポイント安の1,252.31、ナスダック指数は同2.06ポイント安の2,243.32で引けた。

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(米国株相場にとっての強材料)
1.アンハイザー・ブッシュ(BUD)
ビール醸造世界最大手、ベルギーのインベブは7日、アンハイザー・ブッシュの取締役更迭へ向け暫定同意要請趣意書をSECに提出すると発表。インベブの463億ドルの買収案を受け入れるようアンハイザー取締役会に圧力を強めた格好。アンハイザーは6月26日、インベブからの1株当たり65ドルの買収提案を低過ぎるとして拒否していた。

2.ヤフー(YHOO)
マイクロソフトは7日、投資家カール・アイカーン氏がヤフーの取締役刷新に成功すれば、ヤフー買収に向け交渉を再開する可能性があると明らかにした。マイクロソフトはヤフーの検索事業もしくは全社的買収を試みる可能性があると表明した。アイカーン氏は「ヤフーは現在、窮地に追い込まれつつある。変革の時だ」とコメントした。

3.プロクター&ギャンブル(PG)
プロクター&ギャンブルは7日、一部製品を対象に2−16%の値上げを9月から実施すると発表。原材料価格の高騰が理由。

4.ゼネラル・モーターズ(GM)
@GMが複数のブランドの売却ないし撤退を検討しているほか、来月の取締役会合で、数千人規模のホワイトカラーの追加削減を承認する可能性が強いとWSJ紙が伝えた。
AGMは同社の米国の8ブランドのうち、正式に売却もしくは撤退を検討しているのは大型スポーツ型多目的車(SUV)の「ハマー」だけだと述べた。

5.鉄鋼株
ゴールドマン・ザックスが、鉄鋼株に強気コメント。BRICs諸国中心に、経済成長圏での鉄鋼需要が旺盛であると言う。USスチール(X)、ニューコア(NUE)、コマーシャル・メタルズ(CMC)の下値は、買いのチャンスとしている。

6.ブロードコム(BRCM)
パイパー・ジェフレーは、任天堂の家庭用ゲーム機「Wii」向けの半導体を手掛けるブロードコムの投資判断を「ホールド」から「買い」へ引き上げた。

7.US航空(LCC)
米航空大手のUS航空は乗客1人の1マイル当たりの収入が6月に最大4%増加したことを明らかにした。運賃を引き上げたことが寄与した。

8.テンプル・インランド(TIN)
クレディ・スイスは米製紙・梱包会社2位のテンプル・インランドの投資判断を「アウトパフォーム」と、従来の「中立」から引き上げた。


(米国株相場にとっての弱材料)
1.欧州の銀行株
ゴールドマン・サックスは4日、欧州の銀行は、信用危機で傷んだ資本基盤を修復するために最大で900億ユーロ(約15兆円)の資本調達が必要となる可能性があると指摘。 ゴールドマンはスウェーデンのカーネギーとスウェードバンクの投資判断を「売り」と、従来の「中立」から引き下げた。スペインの銀行最大手サンタンデール銀行は「中立」(従来は買い)に引き下げた。

2.メリル・リンチ(MER)
@シティグループは、メリルリンチが2008年4−6月(第2四半期)に、主に高格付けのCDOで60億ドルの評価損を計上し同四半期が1株当たり3.95ドルの赤字となるとの予想を示した。オッペンハイマーのアナリスト、メレディス・ホイットニー氏は先週、メリルの第2四半期は1株当たり4.21ドルの赤字、評価損は58億ドルと予想していた。
AWSJ紙は、メリルが資産運用会社ブラックロックの株式を一部売却し10億−20億ドルを調達するほか、減配により10億ドル余りを節減する可能性があると報じている。また、メリルが、ブルームバーグLP株も売却する可能性があるとも報じた。メリルがブルームバーグ株20%を約50億ドルで売却することを目指すだろうとしている。

3.米不動産情報会社のレーダー・ロジックが7日発表した統計によると、米住宅価格は4月に25の大都市圏のうち23で下落した。差し押さえられた物件が売りに出され、価格を押し下げている。

4.モルガン・スタンレー・グローバル・ウェルス・マネジメントのチーフ投資ストラテジスト、デービッド・ダースト氏が以下の通りコメント。

  (発言要旨)
★現時点では株式相場がさらに10%下落すると予想している。株価に関しても、期間的にも今回の弱気相場の3分の2ほど過ぎたところだろう。
★来年は米経済が非常にゆっくりと回復すると予想している。大幅な株式反発は期待できないだろう。

5.テバ・ファーマスーティカル・インダストリーズ(TEVA)
イスラエルの医薬品メーカー、テバ・ファーマスーティカル・インダストリーズの多発性硬化症治療薬「コパクソン」の試験の結果、ライバル会社は同薬の後発薬の販売が容易になる可能性があると言う。

6.ファニー・メイ(FNM)とフレディマック(FRE)
会計基準の変更によって住宅金融大手2社が計約8兆円の資本増強を強いられる可能性があるとリーマンブラザーズがコメントした。

7.インディマック・バンコープ
米独立系住宅金融会社大手、インディマック・バンコープは7日、2008年4−6月(第2四半期)の損失が1−3月(第1四半期)を上回ったと発表した。またインディマックは、当局から同社の資本はもはや十分ではないと指摘されたことをウェブサイトで明らかにした。


個別銘柄編
投資判断変更
1. EMCコープ(EMC)
RBCキャピタル・マーケットスが、同社の投資判断を“セクターパフォーム”から“アウトパフォーム”に引き上げた。

2.ジュニパー・ネットワークス (JNPR)
パイパー・ジェファリーが、同社の投資判断を“中立”から“買い”に引き上げた。

3.ブロードコム (BRCM)
パイパー・ジェファリーが、同社の投資判断を“中立”から“買い”に引き上げた。

4.ネットワーク・アプライアンス(NTAP)
ロバートW・バードが、同社の投資判断を“中立”から“アウトパフォーム”に引き上げた。また、同社の目標価格を24ドルから30ドルへ引き上げた。

5.タイム・ワーナー(TWX)
リーマン・ブラザーズが、同社の投資判断を“オーバーウエイト”から“イコールウエイト”に引き下げた。

6.ウォルト・ディズニー (DIS)
リーマン・ブラザーズが、同社の投資判断を“イコールウエイト”から“アンダーウエイト”に引き下げた。

7.メルク (MRK)
UBSが、同社の投資判断を“買い”から“中立”に引き下げた。


個別銘柄編 
価格目標変更
1.マイクロソフト(MSFT)
クロス・リサーチが、同社の目標価格を30ドルから28ドルへ引き下げた。また、投資判断は“保有”とした。

2.サンディスク (SNDK)
UBSが、同社の目標価格を35ドルから21ドルへ引き下げた。また、投資判断は“中立”とした。

3.マイクロン (MU)
UBSが、同社の目標価格を9ドルから8ドルへ引き下げた。また、投資判断は“買い”とした。

4.ボーイング (BA)
Am・テック・リサーチが、同社の目標価格を89ドルから67ドルへ引き下げた。また、投資判断は“中立”とした。

5.ゴールドマン・ザックス (GS)
HSBCセキュリティズが、同社の目標価格を240ドルから200ドルへ引き下げた。また、投資判断は“中立”とした。




=以上= 

posted by mori at 09:00 | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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