2008年06月26日

ナスダック指数は急反発。

米国株相場レポート

6月 25日

森  崇

ナスダック指数は急反発。ダウ指数とS&P500指数は小幅高。ただし、原油価格が下落したことから、石油関連株が下がった他、ゴールドマン・サックスが、ボーイングの投資判断を、“中立”から“売り”へ引き下げた(米景気の低迷と、今原油価格上昇懸念が背景)ことから、ボーイング株が急落した。同じ工業株であるハネウェル(HON)、ユーナイテッド・テクノロジー(UTX)等も連想売りを浴びた。また、モンサント(MON)が、第3四半期の業績を発表したが、売上高が市場予想を下回ったことから急落した。これを受け、農業関連株も連れ安。


(相場しっかりの背景)
1.FOMCが政策金利を据え置き、利下げ局面が終わったものの、声明は利上げを示唆しなかったと受け止められ、早期利上げ懸念が沈静化した。

2.原油価格が下落。米週間石油在庫統計で、原油の在庫が前週より80万バレル増加したことを受け、売りが広がった。

3.ナスダック銘柄中心に強材料が多く出た。
@グーグル(GOOG)
グーグルが、ロシアのオンライン広告市場が、2010年には10億ドルに達する予定であると述べた。

Aアマゾン・ドット・コム(AMZN)
アマゾン・ドット・コムが、生地や裁縫関連商品を扱う、ファブリック・ドット・コム(Fabric.com)を買収することが明らかになった。

Bシリコン・ラボラトリーズ(SLAB)
携帯電話用チップメーカー、シリコン・ラボラトリーズが、第2四半期の業績が、これまでの会社側の見通しEPS0.37〜0.39ドルを上回る0.42ドルだと発表した。

Cバイデュー・ドット・コム(BIDU)
パシフィック・クレストが強気コメント。同社の利益は、予想の上限に達するだろうとした。

Dジャビル・サーキット(JBL)
昨日引け後発表した業績、および見通しが、市場予想を上回ったことを受けて、株価が上昇。好業績を受けて、ブローカー各社が目標価格を引き上げた。

 ★クレディスイス:“中立”目標価格10ドル→17ドル
 ★ニーダム:“買い”目標価格14ドル→18ドル
 ★RBCキャピタル:“アウトパフォーム”目標価格14ドル→19ドル

また、メリル・リンチが投資判断を、“中立”から“買い”へ引き上げた。

Eマスターカード(MA)
アメリカン・エキスプレスが、マスターカードに対して起こしていた訴訟で、アメリカン・エキスプレスが最大18億ドルを受け取ることで和解したことが明らかになった。これが好感され、マスターカード株が急伸。

ダウ指数は前日比4.40ドル高の11,811.83ドル、S&P500指数は同7.68ポイント高の1,321.97、ナスダック指数は同32.98ポイント高の2,401.26で引けた。

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(米国株相場にとっての強材料)
1.FRBは25日、FOMCの定例会合を開き、FF金利の誘導目標を2%に据え置くことを決めた。

  (声明要旨)
★経済成長の下振れリスクが残るものの、幾分か縮小したもようであり、インフレとインフレ期待の上振れリスクは拡大した。ただし、インフレは年後半には緩和に向かうことが予想される。
★雇用市場が一段と軟化し、金融市場は引き続きかなりの緊張下にある。
★信用収縮や住宅投資の低迷、エネルギー価格の上昇が今後、数四半期にわたり経済成長の重しになる。

2.エネルギー省が、『国際エネルギー見通し2008』を発表した。これによるとカナダ、ブラジル、カザフスタンなどの国が新たに原油生産を開始することを理由に、原油価格が2015年までに1バレル当たり70ドルに下落するとの見通しを示した。また、原油価格高騰のシナリオもあり、その場合は、2030年までに186ドルまで上昇する見通しだという。

3.グーグル(GOOG)
グーグルが、ロシアのオンライン広告市場が、2010年には10億ドルに達する予定であると述べた。これは、同社のロシア部門担当者が、モスクワのインタビューで答えたもので、ロシアの市場について「信じられないほど大きい可能性を持っており、現在法人登録している企業は300万社、うち7万5,000社がロシアの会社である。つまり、ロシアだけでなく国外の企業も関心を持っているということだ」と述べた。

4.マスターカード(MA)
アメリカン・エキスプレスが、マスターカードに対して起こしていた訴訟で、アメリカン・エキスプレスが最大18億ドルを受け取ることで和解したことが明らかになった。これは、マスターカードが加盟銀行に対して、アメックスのカードを発行しないように働きかけたとして、これをハントラスト法違反としてアメリカン・エキスプレスが訴えを起こしていたものだ。今回の結果を受けて、アメリカン・エキスプレスの最高経営責任者、ケネス・チェルト氏は、「数年にわたる資金が確保できる」とコメントした。一方で、結果を受けて、マスターカードは上昇した。不透明だった訴訟問題に決着が付いたことで、安心買いが入った。

5.エクソン・モービル(XOM)
エクソン・モービルが、1989年にアラスカ沖で起こした原油漏れに対する罰金が、5億750万ドルに減額された。米国市場最悪といわれた原油漏れ事故で、当初は25億ドルの罰金が懲罰として課せられていた。本日米最高裁は連邦海事法に照らし合わせると、最初の罰金は過剰だったと判断したという。

6.ジャビル・サーキット(JBL)
昨日引け後発表した業績、および見通しが、市場予想を上回ったことを受けて、株価が上昇。好業績を受けて、ブローカー各社が目標価格を引き上げた。

 ★クレディスイス:“中立”目標価格10ドル→17ドル
 ★ニーダム:“買い”目標価格14ドル→18ドル
 ★RBCキャピタル:“アウトパフォーム”目標価格14ドル→19ドル

また、メリル・リンチが投資判断を、“中立”から“買い”へ引き上げた。

7.アマゾン・ドット・コム(AMZN)
アマゾン・ドット・コムが、生地や裁縫関連商品を扱う、ファブリック・ドット・コム(Fabric.com)を買収することが明らかになった。買収額などの詳細については明らかにされていないが、アマゾンは、この買収で手芸や裁縫などを趣味とす顧客へ多くの製品を提供することが可能となり、ユーザー層の獲得を狙う。

8.ディーン・フーズ(DF)
食品メーカー、ディーン・フーズが第2四半期の業績に関してポジティブコメントを出した。乳製品の売上が好調なことから、これまでの会社側の見通しを上回る予定だという。

9.エアロパイロメント(AVAV)
高速度飛行体システムメーカー、エアロパイロメントが、市場予想を上回る業績を受けて上昇。需要拡大が要因だという。

10.ダーデンレストラン(DRI)
レッドロブスターとオリーブガーデンレストランを経営する、ダーデンレストランが上昇。第4四半期のEPSは0.78ドルとなり、市場予想0.75ドルを上回った。

11.シリコン・ラボラトリーズ(SLAB)
携帯電話用チップメーカー、シリコン・ラボラトリーズが、第2四半期の業績が、これまでの会社側の見通しEPS0.37〜0.39ドルを上回る0.42ドルだと発表した。これを受けて、株価は上昇した。

12.英銀バークレイズが増資。
バークレイズはカタール王室を代表する企業チャレンジャーとカタール投資庁(QIA)、シンガポールのテマセク・ホールディングス、中国国家開発銀行、三井住友フィナンシャルグループなどに新株を売却し45億ポンドを調達すると発表した。これを受け、25日のクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)市場では、英銀バークレイズの増資を好感し、欧州の銀行・保険会社の債務保証コストが低下した。

13.ポールソン米財務長官は24日、米景気と住宅市場は年末までに回復をみせる可能性があると述べた。 住宅市場が引き続き米経済にとって最大の課題だと言う。

14.バイデュー・ドット・コム(BIDU)
パシフィック・クレストが強気コメント。同社の利益は、予想の上限に達するだろうとした。


(米国株相場にとっての弱材料)
1.住宅ローン申請指数は、前週比で9.3%低下し461.30となった。また、これは2001年12月以来の低水準となった。金利上昇で、住宅ローンの借り換えを控える傾向が強まったことが背景。購入指数は前週から約7.4%低下し33.4となった。住宅ローンの30年物固定金利は平均で6.39%となっており、前週より低下しているものの、年初来2番目の高さとなっている。

2. 5月の新築一戸建て住宅販売数は2.5%減となり、市場予想と一致した。また、中間価格は23万1,000ドルとなり、前年同月の水準から5.7%下落した。また、住宅販売件数は前年同月比40%減となった。

 ★販売に対する在庫比率:10.9ヶ月分
 ★住宅在庫:18万2,000戸
 ★地域別:西部で12%減
        北東部7.9%減
        中西部5.1%増
        南部0.4%増

3.5月の製造業耐久財受注額は前月比変わらず(前月は1.0%減少)と、予想に一致した。変動の大きい輸送用機器を除く受注は0.9%減少(前月は1.9%増)し、予想(1.0%減)より落ち込みは少なかった。

  (内訳)
輸送用機器受注は2.6%の増加、民間航空機の受注が10.3%増加(前月は24.6%減)した。自動車・同部品の受注は3.3%減少した。

4.モンサント(MON)
モンサントが、第3四半期の業績を発表した。売上高が市場予想を下回ったことから、株価は下落。また、2008年通期見通しは、これまでの会社側の見通しを引き上げたが、市場での期待とほぼ一致した。

5.ボーイング(BA)
ゴールドマン・サックスが、ボーイングの投資判断を、“中立”から“売り”へ引き下げたことを嫌気して、売られる。米景気の低迷と、今後も懸念される原油価格が背景だという。

6.アポジー・エンタープライズ(APOG)
ガラス関連製品の、アポジー・エンタープライズが下落。第1四半期の業績が市場予想を下回ったことが嫌気された。

7.ソニック(SONC)
ハンバーガーチェーン、ソニックが市場予想を下回る業績を嫌気して売られた。

8.ロンドン金属取引所(LME)のアボットCEOは24日、商品相場は需給に基づいているため、市場への参加を制限し投機を抑制する各国政府の取り組みはばかげているとの見解を示した。新興市場の需要拡大や供給業者の投資不足により商品市場で構造的な変化が生まれ、相場が高騰している。投機筋による投資を制限する規制を強化しても相場上昇の抑制にはつながらず、市場の価格決定機能を阻害する可能性があるとした。

9.OPECのヘリル議長(アルジェリア・エネルギー鉱業相)は、原油価格が少なくとも年末まで高止まりするとの見方を示した。中東の緊張やドル安が背景。需給関係ばかりではなく、ドル下落や中東の問題が原油高に影響していると指摘した。

10.ドイツ銀行のエネルギー担当主任エコノミスト、アダム・シーミンスキー氏は、原油価格が200ドルまで上昇した場合には世界経済を崩壊に導く可能性があると警告。 価格上昇の最も大きな要因はインドや中国などの需要増だ。また、ロシアの原油生産にも問題があると述べ、2000−04年に急速に成長していたロシアの原油生産量が、04年以降減少を続けていることに懸念を示した。 ロシア政府が石油業界に対する増税を実施し、外国資本の投資を呼び込むことが難しくなった。政府の方針を転換させることができれば、需給の改善に寄与するとの考えを示した。

11.ウォーレン・バフェット氏は25日、スタグフレーションを懸念していると述べた。しかし米国はこれまでのように、いつかはこれを克服していくだろが、時間がかかる可能性があるとした。


個別銘柄編
投資判断変更
1. ヤフー(YHOO)
カナコード・アダムスが、同社の投資判断を“売り”から“保有”に引き上げた。

2.ナスダック (NDAQ)
パイパー&ジェファリーが、同社の投資判断を“中立”から“買い”に引き上げた。

3.AT&T(T)
バースティンが、同社の投資判断を“マーケットパフォーム”から“アウトパフォーム”に引き上げた。


個別銘柄編 
価格目標変更
1. エヌビディア(NVDA)
コーウエン&カンパニーが、投資判断を“アウトパフォーム”に新規格付けした。

2.ブロードコム (BRCM)
コーウエン&カンパニーが、投資判断を“アウトパフォーム”に新規格付けした。

3.メルク(MRK)
JPモルガンが、投資判断を“オーバーウエイト”に新規格付けした。

4.ファイザー (PFE)
JPモルガンが、投資判断を“中立”に新規格付けした。

5.ワイス(WYE)
JPモルガンが、投資判断を“中立”に新規格付けした。

6.アルトリア (MO)
シティグループが、投資判断を“買い”に新規格付けした。また、同社の目標価格を24.50ドルとした。

7.U.S.スティール  (X)
UBSが、同社の目標価格を210ドルから218ドルへ引き上げた。また、投資判断は“買い”とした。

8.US・バンクコープ(UBS)
ラーデンバーグ・タルマンが、同社の目標価格を43ドルから36ドルへ引き下げた。また、投資判断は“買い”とした。

9.ワシントン・ミューチュアル (WM)
ラーデンバーグ・タルマンが、同社の目標価格を10ドルから5.50ドルへ引き下げた。また、投資判断は“中立”とした。

10.ジャビル・サーキット(JBL)
ニーダムが、同社の目標価格を14ドルから18ドルへ引き上げた。また、投資判断は“買い”とした。

11.ジャビル・サーキット(JBL)
CSFBが、同社の目標価格を10ドルから17ドルへ引き上げた。また、投資判断は“中立”とした。

12.ジャビル・サーキット(JBL)
RBC・キャピタル・マーケットスが、同社の目標価格を14ドルから19ドルへ引き上げた。また、投資判断は“アウトパフォーム”とした。

13.クローガー(KR)
フリードマン・ビリングスが、同社の目標価格を28.50ドルから32ドルへ引き上げた。また、投資判断は“マーケットパフォーム”とした。




=以上= 

posted by mori at 08:59 | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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