2008年06月25日

下落。

米国株相場レポート

6月 24日

森  崇

下落。この中、銀行や、住宅建設株が買われた。CSFBが住宅建設株のカバレッジを“オーバー・ウェイト”で開始。住宅市場の調整は来年には終わろうとしたことが背景。


(指数下落の背景)
1.経済指標が弱く、景気先行き懸念が高まった。原油価格が小幅続伸したこともあり、小売り(ネット小売も含め)株が特に安かった。
@6月の消費者信頼感指数が92年2月以来の最低水準に低下した。
A米連邦住宅公社監督局(OFHEO)が発表した4月の住宅価格指数(一戸建て中古住宅)は前年同月比4.6%下落した。また、4月のスタンダード・アンド・プアーズ/ケース・シラー住宅価格指数は前年同月比で15.3%低下した。

2.主要企業に悪材料が複数出た。
@ユナイテッド・パーセル・サービス(UPS)
小荷物発送最大手ユナイテッド・パーセル・サービス(UPS)が23日引け後、燃料コストの増加と国内の小荷物発送量の減少に伴う空輸需要の縮小を理由に、利益見通しを下方修正した。
Aクーパー・タイヤ&ラバー(CTB)
米タイヤメーカー2位のクーパー・タイヤ&ラバーは23日引け後、タイヤ需要の後退と一部原材料が不足する見通しに対応し、08年4−6月(第2四半期)の北米生産を縮小する計画を発表した。
Bゼネラル・モーターズ(GM)
バンカメが、GMについてネガティブ・コメント。自動車販売鈍化でキャッシュフローが低下することから、最大80億ドルの資金調達を模索する可能性があると言う。

ダウ指数は前日比34.93ドル安の11,807.43ドル、S&P500指数は同3.71ポイント安の1,314.29、ナスダック指数は同17.46ポイント安の2,368.28で引けた。

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(米国株相場にとっての強材料)
1.イーストマン・コダック(EK)
写真用品大手イーストマン・コダックは、最大10億ドルの自社株買いを取締役会が承認。また、米内国歳入庁(IRS)から5億8100万ドルの税還付金を得たと言う。同社は自社株買いプログラムの過半数を税還付金で賄う計画だ。

2.ダウ・ケミカル(DOW)
米化学最大手のダウ・ケミカルは24日、7月に最大25%の追加値上げを実施する方針を発表した。同社は、20%の値上げを6月から実施すると既に発表しており、今回は追加値上げ。エネルギーと炭化水素素材の高騰が理由。ただし、ドイチェバンクが同社の利益見通しを引き下げたことから売られた。

3.ヤフー(YHOO)
情報技術関連のブログ、テッククランチが、マイクロソフト、ヤフーが交渉を再開し、マイクロソフトはヤフーの完全買収を協議していると伝え、ヤフーの株価は一時急伸したが、マイクロソフトとヤフーの事情に詳しい関係者は24日、マイクロソフトがヤフー買収交渉を再開したという事実はないと述べた。同社株は、トーマス・ワイゼルが“マーケット・ウェイト”から“アンダー・ウェイト”に投資判断を引き下げた為、朝方、株は安かった。

4.住宅建設株
CSFBが住宅建設株のカバレッジを“オーバー・ウェイト”で開始。住宅市場の調整は来年には終わろう。健全な財務内容を有する住宅建設会社は、大きく下落した不動産を購入できるだろうとしている。

5.クローガー(KR)
スーパー最大手クローガーが発表した2−4月(第1四半期)決算は利益が予想を上回った。低価格商品で客足が伸び、売り上げ拡大につながった。

6.チーズケーキ・ファクトリー(CAKE)
ウェドブッシュ・モルガン・セキュリティーズは飲食店チェーンのチーズケーキ・ファクトリーの株式投資判断を「ホールド(中立)」から「買い」に引き上げた。同社は4月24日に4−6月(第2四半期)業績見通しを引き下げたが、それ以来客足が改善したと言う。

7.スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)/ケース・シラー住宅価格指数の共同考案者であるカール・ケース氏は、米住宅市場のほぼ半分が年内に最悪期を脱するとの楽観的見方は根拠があるとした。米国の恐らく3分の1から半分が底入れまたはそれに近い状況にあることを示す若干の驚きが向こう数カ月に出てくる可能性があると指摘。都市部は過剰建設やサブプライム住宅ローン危機に伴う打撃の影響が比較的小さく、早期の底入れについて私はかなり楽観的になっていると説明。

8.NYSEユーロネクスト(NYX)
NYSEユーロネクストは24日、カタールのドーハ証券取引所に25%出資することで合意したと発表した。出資額は2億5000万ドル。残りの株式はカタール政府の所有となる。出資は2008年10−12月期に完了する見込み。NYSEは、現物株、デリバティブ、ガバナンス方面の援助をする。


(米国株相場にとっての弱材料)
1.米連邦住宅公社監督局(OFHEO)が発表した4月の住宅価格指数(一戸建て中古住宅)は前年同月比4.6%下落した。

2.コンファレンス・ボードが24日に発表した6月の米消費者信頼感指数は50.4に低下(前月は58.1)し、予想(56.0)を大幅に下回った。これは1992年2月以来の最低の水準。現況指数は64.5と、前月の74.2から低下。今後6カ月の期待指数は41と、1967年の統計開始以来で最低。

3.著名投資家のマーク・ファーバー氏が以下の通り発言。

  (発言)
インフレ加速によって株式の投資利益が目減りする一方、新興市場からの需要拡大で、商品は長期にわたってその価値を維持する。商品や石油への需要は消滅しない。商品相場が押し上げられているが、この流れは変わらないだろう。

4.4月のスタンダード・アンド・プアーズ/ケース・シラー住宅価格指数は前年同月比で15.3%低下した。予想(16.0%の低下)ほど落ち込まなかったが、2007年1月以降、同指数は連続で低下。過剰在庫の影響が表れている。20都市すべてで4月の住宅価格は前年比マイナスとなった。前月比では調査対象の20都市のうち8都市で住宅価格が上昇した。

5.ゼネラル・モーターズ(GM)
バンカメが、GMについてネガティブ・コメント。自動車販売鈍化でキャッシュフローが低下することから、最大80億ドルの資金調達を模索する可能性があると言う。銀行融資市場での資金調達は引き続き非常に厳しいものの、担保付タームローン発行に必要な担保は十分にあるとみていると指摘。

6.ユナイテッド・パーセル・サービス(UPS)
小荷物発送最大手ユナイテッド・パーセル・サービス(UPS)が23日引け後、燃料コストの増加と国内の小荷物発送量の減少に伴う空輸需要の縮小を理由に、利益見通しを下方修正した。UPSは2008年4−6月(第2四半期)利益見通しを1株当たり83−88セントと、前回予想の97セント−1.04ドルから下方修正した。

7.クーパー・タイヤ&ラバー(CTB)
米タイヤメーカー2位のクーパー・タイヤ&ラバーは23日引け後、タイヤ需要の後退と一部原材料が不足する見通しに対応し、08年4−6月(第2四半期)の北米生産を縮小する計画を発表した。生産縮小に要するコストは1200万−1400万ドルとなる。

8.グリーンスパン前FRB議長が24日の講演で、以下の通り発言。金融市場には3月以降に明白に好転したと発言していたが、今回は、これが後退した内容。

  (発言要旨)
★FRBの3月の行動が金融市場の不安定度を低下させたものの、混乱は来年になっても続く公算がある。
★データは米経済がリセッションの瀬戸際にあることを示唆している。向こう1年間の原油相場は非常に動きが激しく、景気には勢いがないだろう。
★現段階で、事態は若干改善したように見られるが、危機は来年まで続くだろう。

9.メリルリンチは、のシティグループは今年赤字となり、同3位のJPモルガン・チェースの利益は同氏の従来予想を下回るとの見通しを示した。シティが今年さらに80億ドルの評価損を計上する可能性があり、今年通期の1株損益は42セントの赤字と、当初予想(44セントの黒字)を下回るとの見通しを示した。またJPモルガンの今年通期の1株利益見通しを3.30ドルから2.79ドルに下方修正。同行は、950億ドル規模の特に危険なホームエクイティローンを抱えていると指摘。


個別銘柄編
投資判断変更
1. ビザ(V)
アバンデールが、同社の投資判断を“マーケット・アウトパフォーム”から“マーケットパフォーム”に引き下げた。

2.NYMEX・ホールディング (NMX)
フォックス・ピットが、同社の投資判断を“アウトパフォーム”から“イン・ライン”に引き下げた。

3.レイセオン(RTN)
JPモルガンが、同社の投資判断を“中立”から“オーバーウエイト”に引き上げた。


個別銘柄編 
価格目標変更
1. サンディスク(SNDK)
コーウエン&カンパニーが、投資判断を“アンダーパフォーム”に新規格付けした。

2.マイクロン (MU)
コーウエン&カンパニーが、投資判断を“中立”に新規格付けした。

3.トール・ブラザーズ (TOL)
CSFBが、投資判断を“アウトパフォーム”に新規格付けした。また、同社の目標価格を24ドルとした。

4.KB・ホーム (KBH)
CSFBが、投資判断を“アウトパフォーム”に新規格付けした。また、同社の目標価格を23ドルとした。

5.DH・ホートン(DHI)
CSFBが、投資判断を“アウトパフォーム”に新規格付けした。また、同社の目標価格を14ドルとした。

6.ワシントン・ミューチュアル (WM)
リーマン・ブラザーズが、同社の目標価格を27.25ドルから10ドルへ引き下げた。また、投資判断は“イコールウエイト”とした。

7.ウェルス・ファーゴ  (MCD)
ラーデンバーグ・タルマンが、同社の目標価格を37ドルから29ドルへ引き下げた。また、投資判断は“買い”とした。

8.U.S.スティール(X)
CSFBが、同社の目標価格を200ドルから210ドルへ引き上げた。また、投資判断は“中立”とした。

9.ポタッシュ (POT)
UBSが、同社の目標価格を250ドルから285ドルへ引き上げた。また、投資判断は“買い”とした。




=以上= 

posted by mori at 10:28 | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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