2008年06月12日

全般急落。

米国株相場レポート

6月 11日

森  崇

全般急落。


(背景)
1.金融株中心に下落。
@マーシャル&アイルスレイ・コープ(MI)
   ウィスコンシン州最大に地銀に悪材料。ゴールドマン・ザックスが、同社の“コンビクション・セル・リスト”にマーシャル株を掲載した。住宅建設ローンの額が最も多い銀行であり、この第2四半期は特に、中小銀行の間で、同ローンの焦げ付きが表面化するだろうと言う。

Aリーマン・ブラザーズ(LEH)
リーマン・ブラザーズ株が4日続落。9日に発表した2008年3−5月(第2四半期)の決算で損益が28億ドルの赤字になったことが蒸し返されている。10日はワコビアとクレディ・スイス・グループがリーマンの投資判断を引き下げた。

Bメリル・リンチ(MER)
   同社のサインCEOが発言。メリルの資本は十分である。第2四半期の初めは、困難な状況だった。モノライン、サブプライム市場は悪化が続いていると言う。

2.主要企業に悪材料が出た。
@アルコア(AA)
   ★第2四半期のEPSが2-3セント減少する可能性があると警告。6月3日に起きたアパッチ・エナジーの工場爆発事故による影響が背景。
   ★JPモルガン・チェースが、同社株の投資判断を引き下げた。“オーバー・ウェイト”から“中立”へ。コストの上昇傾向や、CEOの戦略(部門売却等でなく、あくまでもコングロマリットにとどまろうとするスタンス)のまずさを指摘している。

Aバーリントン・ノーザン・サンタフェ(BNI)
   UBSがネガティブ・コメント。第2四半期の業績ガイダンスが引き下げになるかもしれないと言う。

3.原油価格が急反発。
ニューヨーク原油先物相場は大幅反発。米エネルギー省の在庫データによると、6月6日終了の週の原油供給量は、460万バレル減少し、3億220万バレルになったと言う。4週間で合計2,360万バレル供給減になった。

4.ベージュブックの内容も冴えなかった。
11日に地区連銀経済報告(ベージュブック)が発表になった。
  (要旨)
★4月後半から5月を通じて経済活動は全般的に弱かった。
★個人消費はエネルギー価格や食料品の値上がりを受け、減速し、住宅市場はほとんどの地域で軟調。
★物価は原材料の値上がりが広がっている。


ダウ指数は前日比206.09ドル安の12,083.69ドル、S&P500指数は同22.94ポイント安の1,335.48、ナスダック指数は同54.93ポイント安の2,394.01で引けた。


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(米国株相場にとっての強材料)
1.ステイプルズ(SPLS)
  世界最大のオフィス用品販売チェーンが、オランダの同業、コープレート・エクスプレスNVを買収するという。買収総額は16億8000万ユーロ(26億ドル)で、3回の価格引き上げ後に成立。

2.6日まで1週間の住宅ローン申請指数は、前週比10.9%上昇の557.1と、6年ぶりの低水準となった前週から上昇に転じた。住宅ローン30年物固定金利は平均で6.24%と、前週の6.17%から上昇。

(その他主要指数動向)
★購入指数…12.8%上昇し376.2
★借り換え指数…8.4%上昇し1622.1

3.タルボット(TLB)
衣料品専門店のタルボットは11日、親会社のイオンから5000万ドルの無担保劣後貸付枠(劣後ローン)を獲得したと発表。タルボットは2010年1月までの1億ドルのコスト削減を目指している。

4.モルガン・スタンレー(MS)
ゴールドマン・サックスは、モルガン・スタンレーの株式を買う権利を付与するコールオプションの買いを推奨している。モルガン・スタンレーの決算発表後に株価が反発する可能性があることが理由。

5.バイオジェン・アイデック(BIIB)
バイオ大手のバイオジェン・アイデックは10日、著名投資家カール・アイカーン氏が昨年、同社に対し、最大で1株当たり82ドルの買収案(現金で最大150億ドル規模)を提示していたことを明らかにした。同社はアイカーン氏との委任状争奪戦の渦中にある。

6.ゴールドマン・ザックス(GS)
ゴールドマン・サックスは独ノルトライン・ウェストファーレン州から集合住宅9万3000戸を7億8700万ユーロ(約1308億円)の現金で買収することで合意。賃貸料の上昇を見込んだ投資とみられている。

7.ハートフォード・ファイナンシャル・サービシズ・グループ(HIG)
保険会社のハートフォードは10日引け後、自社株買い計画の規模を10億ドル引き上げると発表。

8.モンサント(MON)
  遺伝子組み換え種子大手株の目標価格が引き下げられた。UBSが、140ドルから154ドルへと引き上げた。

9.ステート・ストリート(STT)
  ゴールドマン・ザックスが、ステート・ストリート株を“コンビクション・バイ・リスト”に掲載。

10.バンカメ(BAC)
バンク・オブ・アメリカのケネス・ルイスCEOは、減配しない意向を表明した。オッペンハイマーのホイットニー氏が11日付のリポートで明らかにした。ルイスCEOは個人顧客の返済遅延率が4月から5月にかけてかなり大幅に低下したことを明らかにした。住宅金融大手カントリーワイドの買収について、ルイスCEOは、評価損が予想を上回っても、買収はなお魅力的だと述べ、完了を目指す考えをあらためて示した。


(米国株相場にとっての弱材料)
1.マイクロチップ・テクノロジー(MCHP)
  JPモルガン・チェースが同社の投資判断を“オーバー・ウェイト”から“中立”に引き下げた。株価が高くなったこと、及び、中国からの需要減少見通しが背景。

2.マーシャル&アイルスレイ・コープ(MI)
  ウィスコンシン州最大に地銀に悪材料。ゴールドマン・ザックスが、同社の“コンビクション・セル・リスト”にマーシャル株を掲載した。住宅建設ローンの額が最も多い銀行であり、この第2四半期は特に、中小銀行の間で、同ローンの焦げ付きが表面化するだろうと言う。

3.アメリグループ(AGP)
  低所得者向けマネージド・ヘルスケアー会社が、通期の業績見通し公表を取りやめた。テネシー州での医療費用が、予想より多かったと言う。

4.ヤフー(YHOO)
資産家カール・アイカーン氏は10日、身売りを回避したヤフーの取締役会は一段と水準が落ちたと批判した。アイカーン氏は、経営権が移ると発効する同社の従業員報酬制度について非難されるべきだとの見方を示した。

5.OPECのバドリ事務局長は11日、原油価格の上昇は投機的な取引によるものであると非難した上で、市場は十分供給されていると指摘した。市場には多くの原油が存在し、いかなる不足も見られず、さらなる原油を求める顧客もいないと言明した。OPECは22日にサウジアラビアのジッダで開催される会議で、石油消費国と原油価格上昇が経済に及ぼす影響について協議する。

6.英石油大手BPのチーフエコノミスト、クリストフ・ルール氏は11日、以下の通り発言した。

  (発言要旨)
★原油相場を押し下げるため、OPECが増産を余儀なくされるだろう。
  ★一部諸国で燃料価格に抑えるための政府補助金が打ち切られることなどにより、世界の原油需要は減少が続く。

7.リーマン・ブラザーズが、先に発表した60億ドルの追加増資の一部として、 
  韓国の金融機関グループとの提携で合意に近づいており、戦略的提携が年内
に実現する可能性があるとフィナンシャル・タイムズ紙が報じた。

8.オックスフォード・インダストリーズ(OXM)
アパレルのオックスフォードは10日引け後、2009年1月期利益見通しを1株当たり1.90−2.05ドルと、従来予想の2.35ドルから引き下げた。

9.米半導体工業会(SIA)は11日、2008 年の世界半導体売り上げの伸び率見通しを4.3%と従来の7.7%から下方修正した。メモリー部門の価格競争激化が背景。

10.アルコア(AA)
  @第2四半期のEPSが2-3セント減少する可能性があると警告。6月3日に起きたアパッチ・エナジーの工場爆発事故による影響が背景。
  AJPモルガン・チェースが、同社株の投資判断を引き下げた。“オーバー・ウェイト”から“中立”へ。コストの上昇傾向や、CEOの戦略(部門売却等でなく、あくまでもコングロマリットにとどまろうとするスタンス)のまずさを指摘している。

11.バーリントン・ノーザン・サンタフェ(BNI)
  UBSがネガティブ・コメント。第2四半期の業績ガイダンスが引き下げになるかもしれないと言う。

12.FRBのコーン副議長が以下の通り発言。
  (発言要旨)
  ★インフレ期待の安定が不可欠。
  ★一時的な物価上昇と、失業率の上昇は避けられない。
  ★石油価格高騰の一般物価への影響は20年前より小さい。

13.ECBのオーファニデスが以下の通り発言。
  (発言要旨)
  ★物価期待が抑制されなければ、ECBは行動を取る準備がある。

14.リーマン・ブラザーズ(LEH)
リーマン・ブラザーズ株が4日続落。9日に発表した2008年3−5月(第2四半期)の決算で損益が28億ドルの赤字になったことが蒸し返されている。
10日はワコビアとクレディ・スイス・グループがリーマンの投資判断を引き下げた。

15.メリル・リンチ(MER)
  同社のサインCEOが発言。メリルの資本は十分である。第2四半期の初めは、
  困難な状況だった。モノライン、サブプライム市場は悪化が続いていると言う。

16.11日に地区連銀経済報告(ベージュブック)が発表になった。
  (要旨)
★4月後半から5月を通じて経済活動は全般的に弱かった。
★個人消費はエネルギー価格や食料品の値上がりを受け、減速し、住宅市場はほとんどの地域で軟調。
★物価は原材料の値上がりが広がっている。
★雇用活動はほとんどの地域で引き続きむらがある。


個別銘柄編

投資判断変更
1. アクティビジョン(ATVI)
  ウェッドブッシュ・モルガンが、同社の投資判断を“買い”から
  “ストロング・買い”に引き上げた。また、同社の目標価格を35ドルから
  45ドルへ引き上げた。

2.キャメコ(CCJ)
  UBSが、同社の投資判断を“中立”から“買い”に引き上げた。

3.アルコア(AA)
  JPモルガンが、同社の投資判断を“オーバーウエイト”から“中立”に
  引き下げた。


個別銘柄編

価格目標変更

1. モンサント(MON)
  UBSが、同社の目標価格を140ドルから154ドルへ引き上げた。また、
  投資判断は“買い”とした。
 
2.メルク(MRK)
  UBSが、同社の目標価格を45ドルから43ドルへ引き下げた。また、
  投資判断は“買い”とした。

3.アクティビジョン(ATVI)
  ラザード・キャピタルが、同社の目標価格を33ドルから40ドルへ引き上
  げた。また、投資判断は“買い”とした。

4.ポタッシュ(POT)
  BMOキャピタル・マーケットスが、同社の目標価格を200ドルから310
  ドルへ引き上げた。また、投資判断は“アウトパフォーム”とした。

5.AT&T(T)
  ヒリヤード・レイオンズが、同社の目標価格を46ドルから43ドルへ引き
  下げた。また、投資判断は“買い”とした。

=以上=
posted by mori at 09:48 | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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